騎士団長殺し 読了 2017.06.13
美味い食事を食べ終わる時が切ないように、
面白い物語を読み終わる時も切ない。
あと一口食べたくなるし、あと1ページ読みたくなる。
小説はいくら摂取してもカロリーにならないのが良い。
約1ヶ月ほど、ブックカフェに通い続けて読み終えた。
( 本代は払ってないけれど、お茶代はたくさん払った。そのあたりの勘定は、コーヒー店と本屋でいい塩梅にやってほしい )
紙の本と電子書籍の一番の違いは
「手に持って、あとどれぐらいのページが残っているのか、重さで分かるか分からないか」かもしれない。
何かが起きているようで、何も起きていない、でも何かが起きているような物語。
サスペンスでもない、ミステリーでもない、謎解きがあるようでない、こんなに掴みどころのない小説がベストセラーになるのは、なんて素晴らしいんだろう。
解説サイトや、他の人の感想は読まずに過ごしたい。
それとも誘惑に負けて、この小説を読んだ体験を濁してみようか。
この小説について文章で語れるほど、僕には語彙がない。
だけどたぶん、脳は文章の隙間から、物語のニュアンスを感じていた。
言葉にならない部分が一番美味しい。
それが小説というものかもしれない。