時間を忘れて生きられますか?
ちょっと難しいけれど。
あまり、時計なんかは見ずに生きれば良い。
一番大事なのは、心の中で時間を思い出さないこと。
たとえば休日にどこかの店、本を読んで過ごしている。
「あと何分、この店にいられるだろう?」
「どのぐらい経ったら、次の場所に行こう?」
そんな思いが心に現れるたび、目の前の、本のページに意識を戻す。
物語の世界に帰る。
そしていつの間にか時間が経って、
コーヒーを5杯も頼んだりして、
「お客さん、閉店ですよ」と告げられて、はっとする。
そんな過ごし方が、時間を忘れる生き方。
そんな風に、いつの間にか夜が来てしまっても、時間を無駄にしてしまったとは思わない。
なぜなら、時間自体を忘れているから。
ところで僕らというものは、あまりに時間というにものに慣らされているから、
時間がない世界を思い出すのは、普通ではなかなか難しい。
だけど時間を忘れた世界というのは、きっと、いちどもシャワーというものを浴びたことのない人が、はじめてシャワーを浴びたり。
そういうことに似ていると思う。