1年ぶりに訪れたBAR
久しぶりだった。
1年前にはちょくちょく顔を見せていた場所。
当たり前だが、スターバックスよりはずっと騒々しい店だ。
最近、またこの店に来たいと思いながらずっと二の足を踏んでいた。
店の前まで来ては「今日ではない」と踵を返したり。
店のことを思い浮かべながら「でも、行ったら行ったで虚しい気持ちになるかもな」なんてことを考えていた
だが遂に、今日は扉を開いた。
店に入った瞬間に「ああ、懐かしいな」という感覚を覚えた。
「ああ、嫌だな」と思う可能性の方がずっと高いと思っていたのだけれど。
いつも頼んでいた「王道ハイボール」を頼む。
すっかりお酒も弱くなって、1杯を飲むのに2時間かかった。なんとも経済的だ。
こういう場所で一番の危険は、人がたくさん増えてきて、「ひとりきりの孤独」を感じてしまうこと。
そうすると、もう来たくないという感想になってしまうだろう。
なので、17時頃に店に入って、店が混み始める前に帰った。
ある時は心地良く、ある時は心地悪い。
その両方の感覚を味わいながら、大げさに言うのならば、生きている感覚を噛み締めていた。
お酒を飲む時はついつい飲みすぎてしまうものだけれど、
自分が飲み過ぎだと思う25%ぐらいのレベルで止めておくと、酔っているような、酔っていないような、その境界線を行き来する、ふわっとした感覚を味わうことが出来る。
お酒を飲む技術というのは、この酔い具合を本当に節度のある、適度なレベルに漂わせておく技術なのだ。きっと。
1年前とは店内も変わっていて、前はただ通りにくかった店の隅に、シャレたカウンターが置かれていたりした。