声ハラ

セクハラやパワハラモラハラアルハラ。 世の中には色々なハラスメントの種類があるが「声ハラ」というのは聞いたことがない。

「なぜ、みんな人の声が気にならないんだろう?」と不思議に思っている。

たとえば街を歩いていて、たとえばカフェでコーヒーを飲んでいて、ちょっとしたシチュエーションでも、人の声というものが気になる。

僕は昔から人の声が気になることが多い。たぶん高校生時代から。 特に僕が「悪声」だと判断したものに対しては、すごく不快さを感じてしまう。

苦手な声

文字で表現するのはすごく難しいのだが。 苦手なタイプの声、喋り方というのが存在する。

スピーカーで言えば、断線して常にノイズが混じっているというか。 そのノイズがたまに爆発して、散弾銃のようにばら撒かれるというか。

自分の声というものは、いつでも自分の耳に入ってくるはずなのに、なぜ意識しないのだろう。 耳が声を「ノイズ」として処理しないのだろうか、なんて考えてしまう。

この声を録音して、誰かに聞かせて、寸評をもらいたいなどと考えてしまう。(すごく悪い妄想だ)

お国柄

たぶん日本は世界で一番、声に関心がない国じゃないだろうかと思っている。 それらしいキーワードでググってみても、Yahoo知恵袋で同じ悩みを持つ人さえ見当たらない。

海外の人、特にアメリカやヨーロッパの人は、発声がちゃんとしていて、芸術性のある声で喋る。悪声というのはまずお目にかからない。 まずすべての人が、恐らく日本人の上位5%よりも、はるかにしっかりした発声を身につけている。(上位5%というのは単に想像だ)

だが日本人の場合は、声に対しての感性がまるで抜けているかのように喋る人を、ちらほらと見かける。

仮にアメリカ人がだいたい100点から70点ぐらいの喋り方をしているとしたら、日本人は70点からマイナス100点ぐらいの喋り方をしている。 そのぐらいの幅があるという印象だ。

生体反応

僕の場合、ひどい声を聞いていると、自分の喉自体がイガイガとするような感じがする。 人の声をある部分「自分の声」かのように認識してしまうのだ。 いちど気になり始めると、本当にその喋り方が気になって、時には半日ほど、ずっと頭の中をリフレインしてしまったりする。

これは思考とか感覚とかよりも、より生理的な反応なので、なかなか拭い去るのは難易度が高いように感じた。 というよりも、僕自身が「頭の中の音をコントロールする」というレベルが低いだけで、練習すればある程度、拭い去れるのかもしれない。

僕は「瞬時にウッディー・ウッドペッカーの声を思い出す」という技を身につけることにした。 これはわりと、効くかもしれない。

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