音楽は恋愛に似ている
音楽を聴くのは恋愛に似ている。
世の中には無数の音楽が存在するけれど、いちどに聴ける曲、いちどに愛せるの曲ただひとつだけ。
ひとつの曲を聴きながら「他の音楽を聴きたい」なんて空想にとらわても、目の前の音を愛することは出来ない。
全ての音が浅く聞こえてしまうだろう。
仮にいま聴いているものが、その時に最高の音楽ではないと思えても。
「世界中には、もっと今の自分にふさわしい音楽が存在する」ということが、仮に、理論的には実証できるにしても、いま目の前にある音楽を聴くことは美しい。
最近では音楽の「アルバム」という概念が希薄だ。
だけど、たとえば昔ながらの1枚のアルバムの中には、色々なナンバーがある。
最初から最後まで通して聴いていると、途中には面白くない曲もあるかもしれない。
だけどそこで再生を止めたり、スキップしたりしない。
嫌いな部分が見えてきても、理解してみよう、まずは受け止めようという努力をしてみる。
そうすれば、好きになれる部分があるかもしれない。
あとは、距離感の問題がある。
目の前にある音楽にはまりこむのではなく、逆に無関心になるのではなく、お互いの間に適度な距離を見つけたい。
なぜなら、音楽と自分とをつないでいるのは「関係性」だから。
良い距離感を見つけられた時は、音楽と自分の関係性が、ぐんと良くなったような感じがする。
愛する人と接するように、音楽を聴く。
これが音楽を聴く時のコツだと僕は思っている。