「作品の執筆年代を考慮し、コミックス発売当時のまま収録しています」の謎

こういう奴

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ちなみに2017年に発売されたコミックにも

この文面が載っていた。

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最近、この文面をコミックス最後で見かけることが多い。

  • 「え、これそんなに昔の漫画だっけ?」
  • 「何か問題でもあったんだろうか?」

と思うのだが、新刊で「執筆年代を考慮する」というのも謎だ。

昔の議論

これが手塚治虫の漫画とかならば分かる。

作者は既に存命ではないので、何か問題があっても、そもそも判断を下すことが出来ない。 手塚治虫の作品には確か、アフリカ人に対しての表現がまずいというような、ごく具体的な問題があったはずだ。

おそらく当時、この注意書きをするということは、出版社としても、勇気の要る決断であったのではないだろうか。 様々な議論を乗り越えて「表現を変えない」という選択肢を選んだのではないだろうか。

「執筆年代を考慮する」という但し書きには、それだけ重いニュアンスが込められていると思っていた。

最近はテンプレ

だが最近、この注意書きは完全にテンプレートと化しているようだ。

世間からクレームを受けた時のために、とりあえず書いておく、というようなもの。

旧来の「執筆年代を考慮する」とは、言葉こそ同じではあるけれど、中身は全く変わってしまったらしい。