お片付けとミニマリズムの違い

お片付けとミニマリズムの違いは、「行為」か「主義」かの違いだ。

お片付けは「行為」だ。 あわよくば、それを通して生活や人生が変わったらラッキー。

ミニマリズムは、その名の通り「主義」だ。 自分にとって重要なこと(生活の平穏さとか)を担保するために、最小限のものだけを持つようにする。 より価値観にコミットした考え方だ。

ミニマリズム。日本語に直すと最小限主義。 これは主義なので、1回や2回の行為におさまらない。 「定期的、頻繁におこなう行為」でもない。 生活全般を通して「最小限のものしか持たない」という方針で過ごすことだ。

これには「サラダをたまに食べる人」と「菜食主義者」ぐらいの違いがある。

ミニマリズムを採用する点の良いところは、軸がブレにくいというところだ。 物を捨てるにも、新しい買い物をするにも「これは最小限か?」「今の自分に必要なものか?」「今自分が欲しているものは何か?」と考える習慣を持つことになる。 目的と手段を理解して行動するようになる。

だから、「なんだかよく分からないけど部屋を片付ける」ということはない。 本当に必要なものであれば、手元に置いておくという判断をする。 そもそも、物中心の考え方を離れる。

「物は多ければ多いほど良い」と考えるのは、物中心の価値観だ。 だが逆に「物は少なければ少ないほうが良い」と考えるのも、それもまた別のタイプの「物中心」の価値観だ。 なぜなら、物の多さや少なさが、価値の判断基準になってしまっているからだ。

ミニマリズムでは「必要なものが、今、周りにあること」を重視する。 そして「不要なものが、今、周りにないこと」を尊重する。

物は多ければ良いというものでも、少なければ良いというものでもない。 だけど現代人は放っておくと、つい多くの物を持ちがちなので、ミニマリズムの実践を始めたら、結果的には物の量は減る可能性のほうが高い。 ミニマリズムでは「物の量」は結果であって、目標ではないのだ。

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